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2020年06月02日 [症例検討]

肩の痛み 【 症例1と症例2 】

■この記事の筆者は当院の院長が書きました。院長プロフィールはこちらへ。
肩の痛み
今回は肩の痛みの鍼灸治療の症例になります。
【 症例2 69歳 男性の肩の痛み  】 
■予診票からの身体状況
1か月前に膀胱がんの手術を受けてしばらくしてから右の肩内陵というツボ周辺にだるさと痛みが発生した。腕などへの痺れはないが、側頸部(耳から鎖骨の間にある頚の部分に当たる)を触ると硬い。過去に患った病気または症状は糖尿病・糖尿病・高脂血症・膀胱がん。
脈診
■東洋医学の考え方から診た身体状況
食事については食欲もあるし食べる量も良く食べれる。尿については回数・量・濃さ・夜中にトイレに起きるかという質問事項においていずれも正常な状態である。大便は現在は固くもなく柔らかくもなく普通だが昔は硬かったり柔らかかったりした。睡眠状況も朝まで目が覚めることもなく夢をみることもなく普通に眠れる。尺膚(前腕の内側部の皮膚のこと。)はややふにゃふにゃで張りがない。お腹は触ると力が入ってしまい診ることができませんでした。脈診は全体に滑。以上を総合的に判断してこの患者様は脾虚証の状態とし、施術方針を脾胃の働きを良くした上で患部の血行促進させて痛みを取ることにしました。
■施術経過
週に2回が良いと提案して通って頂いた結果、2週間治療した後にはほぼ痛みが取れていた。その後は週1回に変更するも痛みはほとんど感じない。ゴルフも安心してできるようになってきました。現在も継続中です。*追記:施術開始から11回の治療で、症状が取れたため終了とした。
考察
■考察
・脈だけで判断すれば肝虚証。しかし運動制限はないが動かすと痛む。大便の状態が普通とは言って見えたがそこまで良いとは言い切れない上、尺膚がややふにゃふにゃだった結果から脾虚証では間違いないと判断。施術回数を積み重ねることで脈の状態も落ち着いてきました。(はじめは滑脈だったが現在はやや滑脈)そして痛みも軽減されたのを考慮すると診断は正しかったと思います。ただ五味(どんな味が好きかを確かめる事項)を確認しなかったのでより正確で確実な診断ができなかったのではないかと考えます。以後は五味も確認しようと思います。

【 症例1 43歳 男性の左肩の痛み  】 
■予診票からの身体状況
左肩が痛み始めたのが初検約1年前で思い当たる原因は特にない。手足のしびれはない。安静にしていれば肩の痛みはないが、動かすとひっかかった感じで痛みが出る。頸を上に向けた際にも同様にひっかかった感じがするとのこと。現在は痛み止めなど薬は服用していません。初検日の1週間前にお尻の手術をした。
■肩の痛みはいつでるのかを確認
前ならえの動作までしか腕は上がらない。真横から上にあげる動作は同様に90度までしか上がらない。後ろに手を挙げる動作は特に異常はない。
脈診
■東洋医学の考え方から診た身体状況
食欲は普通にあるし、食べる量も少なくはなく普通に食べる。小便は1日5・6回で量とか色は日頃気にしていない為、よく分からない。大便は最近は毎日出るが便自体は柔らかい。睡眠は夜中に目が覚めることなく普通に寝れる。お腹は下っ腹(下腹部)に抵抗がある。脈診は全体に細い。左寸口が軽く押さえて有力。左関上が強く押さえて細く無力。その他は大きな特徴はない。その他、寒がりで背中の筋肉を触るとぶよぶよした感じがある。以上よりこの患者様の身体状態は肝臓の働きが低下したことによる三焦経と小腸経上にある筋肉または関節に栄養が与えられないために痛みが出たと考えた。
施術方針は肝臓の働きを良くした上に患部の血行を促進することで痛みを緩和することとした。なおこの患者様は鍼灸は初めてのため刺激過多に注意して施術を行うことにした。
■施術経過
施術後に確認すると肩の痛みはほとんど良くなったが、恐らくこの患者様の状態から言ってまた元に戻るだろうと予測してしばらくは続けた方が良いと説明はしましたが、1回だけの施術で終わってしまいました。後日連絡を取ったらやった日だけ痛みは良かったと言われたのでやはりそうかと思いました。
まとめ
■まとめと考察
鍼灸を経験されていない方、全員に共通して言えるのはまず不安をなるべく取り除くことにつきます。この患者様にはまず接触鍼を行い、「鍼って注射針をイメージしていたけど、こんなものなんだ、思った以上に大丈夫でいける。」というふうに誘導することができて1ステップクリアできて良かった。
この患者様の東洋医学的診断を第一印象では「脾虚証」と考えましたが、脾虚証の肩関節痛だと関節の可動域が制限されることは少なく痛みが出ることが特徴の1つになりますが、よくよく問診・脈診をしていく中で肝虚証の関節痛の可能性が高くなってきました。その根拠として、可動域の制限があること。大便の状態は下痢をしてしまうこと。脈が全体に細く、左関上(肝臓の働きをみる部位)が細く無力。そして寒がり。以上を踏まえると肝虚で小腸経・三焦経の経絡に異常が出て上がらなくなっていると分析。そして痛みをあまり感じさせないように治療をしたことで、全身の血行が良くなり、患部の血行も良くなった結果、肩の痛みが良くなったと考えられます。


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