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2017年07月17日 [症例検討]

甲状腺機能亢進症に対する鍼灸(症例1)

■この記事を担当している筆者は「当院の院長」になります。詳細はこちら
甲状腺
今回は甲状腺機能亢進症に対する鍼灸の症例をあげてみます。

【 症例1 男性 43歳 】
■予診票からの患者様の情報
甲状腺機能亢進による不眠・体のほてりがある。これらは約20年前に発症し、ストレスにより悪化させる。過去に脳梗塞(自分で気づいたため症状は軽く済んだとのこと。)と高血圧に加えアトピー性皮膚炎もあった。何とかならないかと色々調べているうちに当院のホームページに甲状腺障害についての説明があり、それを読んで1度受けてみようと思った。
脈診
■東洋医学の観点からみた患者様の状態
食事については食欲はないうえに食べる量も少ない。小便は1日5回から6回で疲れてくると小便に量が多くなる。夜中に1度トイレに起きる。大便は便秘気味だが柔らかい便が出る。睡眠はほとんど眠れていないため疲れがとれないとのこと。前腕内側(尺膚という)の状態はガザガザ。お腹の状態はみぞおちに抵抗はあるが下腹部には力がなくふにゃふにゃしている。脈は滑で代(脈はころころした感じの脈で脈の打つテンポはバラバラ)。背中はアトピーのためかひっかき傷が多い。頭髪は薬の影響で抜けた。以上によりこの患者様の状態は腎虚証の状態で、腎虚により心の働きを抑えることができずにこれらの症状が出たと考えた
■治療方針と治療経過について
治療方針は腎の働きを良くする。腎の働きが弱ってくると相克関係にある心に熱をもってくる。その影響で不眠やほてりが出たと考えた。
治療経過は初検から15日間で5回治療した経過として眠れるようになってきたし食欲も出てきた。病院で診察を受けたら不整脈はあったが脈拍数は減っていた。そして髪の毛が少し生えてきたと言って見えた。初検から16日目以降55日目までの間に通算16回治療した経過として皮膚のガザつきが低下した。倦怠感は少しあるも脈の速さ・血圧は安定し薬を飲まなくても問題ないと言われるまでに回復したが、冷たい物を食べたためにお腹の冷えが強くなっていました。
初検から56日目から162日目までの間に通算45回治療した経過として特に大きな変化はないが気になる点として身体の冷えがあったことです。これに対してはお灸をすえる数を増やすことで対応した。初検から163日目から306日目までの間で通算65回治療した経過としてまだまだ身体の状態としては良くないが患者様自身の強い希望で週1回で様子をみたいということで回数を減らしてみたところ、不整脈や身体の冷えは続くが何とか問題なく過ごせているとのこと。
初検から307日目から1年目までの間で通算77回治療した経過としてそのころには胃腸の状態が良くないということで腎虚証から脾虚証へと施術法を変更した。変更後不整脈が少し改善された感じがあった。髪の毛もまばらだが生えてくるようになってきた。
初検から1年目から1年半後までの間で通算89回治療した経過として週1回でも体調維持はできているとのことでできたら2週間に1度でお願いしたいという本人の強い希望で変更。回数を変更後1か月経過すると目に見えるくらい症状が悪化したため週1回に変更する。この時点で週2回にした方が良いと説明するも本人の強い希望で週1回で経過をみることにするも、さらに3週間後音信不通になり、しばらくして本人様より脳梗塞になってしまい、通院困難になってしまったとのことで治療を終了した。
考察
■考察
・食事の状態からみると脾虚ですが、その他の症状を合わせると腎虚証の2つに迷った。ただ甲状腺機能亢進・高血圧・動悸の状態から見て腎虚証の病証が圧倒的に多いので腎虚証で施術した。施術が良かったのか自分が思っている以上に効果があった感じがする。その後腎虚を主体に施術をしてきましたが、脾虚の方がひどくなってきたので脾虚にベースを変更。その結果、気血も増え、その結果髪の毛がまばらながらも生えてくるようになったと考えます。良くなった後の養生が最も大事なのですが、これを実行できる人が非常に少ないですね。この患者様も結果的に脳梗塞を発症してしまいました。既往歴を見て脳梗塞の再発のリスクをきちんと説明していればこんなことにはならなかったと思うと悔しいです。


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