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2015年12月08日 [鍼灸療法]

一層の改善が期待できる。鍼灸療法による顔面神経麻痺。

■この記事の筆者は当院の院長が書きました。院長プロフィールはこちらへ。更新日は2021年7月26日。
顔面神経麻痺

■現代医学でみる顔面神経麻痺の鍼灸療法について。


一般の方は、鍼灸が顔面神経麻痺に効果があるの?と思われますが、効果的なケースが多いです。その証拠に国内でも大学病院で鍼灸治療による夜顔面神経麻痺専門外来もあります。(詳しくは下記の参照ページをご覧ください。)もちろん、本場中国では顔面神経麻痺で鍼灸治療される方は非常に多いです。
ただし、どんな顔面神経麻痺でも対応できるかというとそういうわけではなく、不適応な場合もありますので注意が必要です。もう少し詳しく顔面神経麻痺について説明していきます。
☆参照ページ
東京女子医科大学(東洋医学研究所)顔面神経麻痺専門外来。

医師の説明

■症状


顔面神経の作用は表情筋を動かすことの他に味覚・聴覚・唾液の分泌する作用があるので、この神経が麻痺することで以下の症状が起こり得ます。
・目が片目だけ閉じれない。
・目の周りが痙攣する。
・口が動きにくい。
などの他に、味覚の障害・涙や唾液の分泌低下・聴覚障害があります。

■原因


主に3つあります。1つ目は中枢性麻痺と言い、これは脳血管障害で起こります。2つ目は末梢神経麻痺と言い、ベル麻痺に当たります。ベル麻痺になる原因は特定できていません。3つ目はウイルスによる麻痺が挙げられます。ウィルスの原因として単純性ヘルペス・帯状疱疹ウイルス・サイトメガロウイルスなどがあります。その他、外傷・内耳炎・中耳炎・手術などがあります。これらの原因のうち特に注意して頂かなくてはいけないことは、1つ目の中枢性の麻痺です。この特徴として「呂律が回らない・右半身もしくは左半身の痺れがあるもしくは動かすことができない・おでこに皺が寄せることができる」があります。これらの症状が出た場合は命に関わりますので至急病院で診察を受けて下さい。

■治療法


現代医学では麻痺に対してはステロイド(プレドニゾロン、ベタメタゾン、ヒドロコルチゾン)を使用して改善させることが多いです。ただしウィルスが原因のケースでは抗ウイルス薬を使用します。そして神経に栄養を送るためのビタミンや末しょう循環改善薬を使用します。麻痺に対してマッサージ・鍼治療など血行促進させることで改善させる方法もあります。

■経過


顔面神経麻痺は発症から1週間は麻痺が進行することが多くなります。1週間過ぎても進行が進み悪化する場合はベル麻痺やウィルス性の麻痺以外の原因があります。(例)としてガンがあります。そのために発症してからの経過観察は必要になります。また麻痺の程度によって治癒までに時間がかかる傾向になります。軽度の麻痺で約1か月・重度な麻痺であれば1年以上かかります。

☆参照ページ
顔面神経麻痺について|よこい耳鼻咽喉科科

鍼治療
■次に東洋医学(鍼灸)ではどう捉えるのか説明します。 
顔面神経麻痺は東洋医学で「面癱(めんたん)」と言います。面は「顔」、癱(たん)は「痺れや麻痺」という意味があるので、顔面神経麻痺という意味に用いられます。顔面神経麻痺は現代医学の治療との併用も良い選択肢の1つになります。

< 原因と施術方針 >


・東洋医学で考える原因は過労・ストレス・生活環境などで内臓(肝・脾・腎など)の働きが低下して、エアコン・扇風機・夜風など身体に不要な物質が顔の筋肉に影響を及ぼすと麻痺が起こる。ですから施術方針としては鍼灸で内臓の働きを良くして気血水を調整する(全身調整を行う)。その上で体内に不要な物質(風邪など)を取り除き、そして患部の血行を促進して麻痺の改善を促すことになります。

< 治療経過 >


・個々の体力・症状の程度により大きく変わりますが、一般的に言うと発病してから鍼灸治療の開始が早ければ早いほど治りやすいです。これは洋の東西で治療法は違いますが、現代医学による顔面神経麻痺の治療と同じ考え方をしていますよ。
なお発症してから時間がだいぶ経過しているケースでも鍼灸治療はできますが、治療経過は早いものに比べるとやはり時間は必要になってくるケースが多いです。

< 日常生活での注意点 >


・過労により悪化するケースが多いのでなるべく無理をしないようお願いします。過労は気血を消耗する原因になります。気血を消耗すると顔面の筋肉に栄養が与えられないので、麻痺の改善までにより一層の時間と治療回数が必要になります。
・扇風機・エアコンに当たり過ぎないようにお願いします。これらは人工的に風邪と寒邪を作ります。これらを直接患部に当たるとどうなると思いますか?風邪や寒邪の影響により顔面の血行が悪くなり、顔の筋肉に十分な栄養が行き渡らないので顔面神経麻痺の発症の原因になってしまいます。
・セルフで顔のマッサージも良いですが、マッサージのやりすぎには十分な注意をして下さい。

■症例

 
【 症例1 49歳 女性  】 
■予診票からの身体状況
初検日より2年前くらいに顔面神経麻痺になり、病院でステロイド点滴を行った後に、自分で口を動かして下さいと言われで行うも顔の引きつり感はなかなか取れず、何とかならないものかと当院へ来院されました。過去に患った病気は特にはありません。デスクワークなどで疲れた時に症状が悪化するとの事ですが、僕から見た感じでは引きつり感は分からないくらいですが、本人は非常に気になるとのことでした。・・・続きを読む

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