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2021年06月15日 [東洋医学]

【 東洋医学 】 解説、五臓の生理

東洋医学
今回は東洋医学(鍼灸)の考え方の説明にします。
何を説明するかと言うと、五臓の生理についてです。東洋医学で言う五臓は心・肝・脾・肺・腎の5つを指します、「脾」以外は現代医学と同じ臓の名前になりますが、生理については考え方が違いますので現代医学と東洋医学と分けて説明していきます。

【 目次 】
1.「心」の現代医学と鍼灸(東洋医学)の説明
2.「肝」の現代医学と鍼灸(東洋医学)の説明
3.「脾」の現代医学と鍼灸(東洋医学)の説明
4.「肺」の現代医学と鍼灸(東洋医学)の説明
5.「腎」の現代医学と鍼灸(東洋医学)の説明
心
1.「心」の現代医学と鍼灸(東洋医学)の説明。
【 現代医学で考えられている心臓の働きとは 】

皆様もご存知の通り、身体全身に血液を送るためのポンプになりますね。詳しく書くと、拍動は1分間に約60回〜80回、1日で約10万回以上休むことなく全身に血液を送ります。心臓の大きさは握りこぶし大の大きさで200〜300g程度になります。「心臓は4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)に分れていて、大静脈から右心房に入りそして右心室に入り、右心室から肺動脈に行き肺へ巡り、肺で酸素と二酸化炭素を交換した後、肺静脈を経て左心房へ入り左心室から大動脈に行き、全身に血液を巡らせる」以上が心臓の作用になります。

【 参照ページ 】
フクダ電子|心臓のつくりとはたらき

【 鍼灸(東洋医学)で考えられている「心の働き」とは 】

☆「正常な精神活動を行うための主役」になります。どういうことかというと例えば心臓の働きが正常な場合は人との関わりに支障がなく行えたり、日常生活に不自由のない生活が送れるようになりますが、心臓の働きに異常が生じると@会話が成立しないA突然狂いだし暴れるB普段なら見えないものが見えてしまったり(幻覚)や聞こえないことが聞こえてくる(幻聴)が起こる。C顔つきに精気が感じられなくなるD不眠になるなど精神活動に影響が出てきます。

☆皆さんは痛みや痒みや味覚はどこで感じるか知っていますか。現代医学では痛みや痒みや味を感じると脊髄から脳へ伝わり、そこで痛みや痒みを感じます。東洋医学(鍼灸)では実は痛みや痒みや味覚は心臓で感じるんです。例えばとある患者様が腰痛の鍼治療に受けて見えました。一般的に腰痛は患部に鍼灸を施せば大抵の場合、症状は軽減しますが、まれに痛いところだけ施術しても治らない場合があり、そのような時に心臓の働きを改善するツボを使用することで痛みが軽減することがあるのです。もちろん痒みや味覚も同様です。不思議ですよね・・・・。

☆心の臓と小腸には密接な関係があります。現代医学では心臓とはポンプの働きが主体で小腸は栄養の吸収が主な役割ですね。
全く違う働きを示しますが、鍼灸では小腸の経脈は心を絡い、心の経脈は小腸を絡うと12個ある経脈で考えられていて、非常に密接な関係があります。実際、心と小腸に関係がある病理があるわけです。これを心熱下注小腸証や小腸熱が心に上炎したと言いますが、これらは膀胱炎や口内炎に似た症状があった場合に診断されるケースがあります。これもまた不思議ですね。現代医学にはない概念ですから。
肝
2.「肝」の現代医学と鍼灸(東洋医学)の説明
【 現代医学で考えられている肝臓の働きとは 】

肝臓と言えば皆さんがピンときそうな働きと言えば「アルコールの分解を行うこと」になると思います。厳密にいうと少し説明が不足しますので、付け加えると「体内に入ったアルコールや薬を代謝して生じた有害な物質(アンモニア)を毒性の低い物質に変えて尿や胆汁に排泄させること」になります。これを「解毒作用」と言いますが、それだけではありません。その他に「代謝」・「胆汁の生成と分泌」があります。

「代謝」とはヒトは食物などの栄養素をそのまま利用することはできませんので、身体に取り込みやすい状態に分解や合成をして吸収します。その過程を代謝と言います。

「胆汁の生成と分泌」とは「脂肪の乳化やたんぱく質を分解する働きがあり、その働きにより脂肪が腸から吸収されやすくなります。さらにコレステロールを体外に排出させる際にも必要な物質になります。

【 参照ページ 】
疾肝啓発のホームページ内、肝臓の役割のページ

【 鍼灸(東洋医学)で考えられている肝の働きとは 】
主な働きは以下になります。
☆肝は血を蔵する。
これはどういう意味かと言うと、肝臓は血液を蓄えることと血液の量を調節する作用があります。例えば日中は人は身体を動かしますね、動かすには血液を必要とするので必要とする分だけ血液を出しますが、夜中は人は眠りますので、血液を多くの血液を必要としないので、不要の血液は肝臓へ戻り蓄えられます。しかし肝臓の働きが悪くなると必要とするだけの血液が送られなかったり、肝臓に貯蔵するだけの血液が足りなくなってしまいます。そうなると肝に関係ある「目」・「筋」に影響を及ぼします。どんな影響を及ぼすかというと「目が乾く・ぼやけて見える・こむら返りが起こる・関節の曲げ伸ばしにくい・手足の痺れ」が出てきます。女性では生理の量が減ったり・生理が来るのが遅くなったりします。

☆肝は疏泄作用がある。
疏泄とは全身の気の動きをスムーズに行うことを言います。気の動きがスムーズに行われると臓腑の働きも正常に行われますが、肝の働きが悪くなることにより臓腑の働きに影響が出てきます。例えば気の動きがスムーズ行われなくなることで血の流れや津液の流れに影響が出ます。それにより瘀血(身体に不要な血液)が生じ、それにより身体に影響を及ぼします。例えば腰に瘀血があれば夜間に腰痛が激しくなります。女性生殖器(子宮や卵巣)に瘀血があれば月経痛や月経不順が起きます。津液の流れに影響が出ると痰飲(身体に不要な水)が生じ、それが身体に及ぼします。例えば肺に痰飲があれば咳と痰が出ます。心に痰飲があれば動悸が起きます。
脾臓
3.「脾」の現代医学と鍼灸(東洋医学)の説明
【 現代医学で考えられている脾臓の働きとは 】
皆さん、脾臓ってどんな働きをしているかご存知でしょうか?僕自身脾臓という臓器の働きって何だろうと思いだすと古い血液を壊す臓器しか思い出せませんでした。脾臓が1つだけの働きしかないわけがないので復習を兼ねてネットで調べてみたところ5つほどありましたので説明します。

@乳幼児時期の血球(赤血球・白血球・血小板)を作る働きがあります。A古くなった血球を処分する働きがあります。B血液を蓄える働きがあります。Cリンパ球を作ったり、血液中の異物の処理など免疫に関係する働きがあります。D成人以降で大量出血した際や骨髄の働きが低下した時に血球を作る働きをします。

【 参照ページ 】
日本消化器外科学会|脾臓について 

以上が現代医学で考えられている脾臓の働きです。次に東洋医学における脾の働きを説明します。

【 鍼灸(東洋医学)で考えられている「脾」の働きとは 】
主な働きは@運化作用A統血作用B升清作用があります。
@運化作用とは口からとった飲食を消化また吸収をする働きと水分代謝の働きの2つを指します。脾の働きが正常であれば飲食を消化し栄養成分(気血津液)を得たものを吸収して全身に栄養分を送ることができるので病気にかかりにくくなり健康でいられます。しかし脾の働きが悪くなると消化・吸収・水分代謝が悪くなるので、食欲不振・倦怠感・お腹が脹ってくる・下痢をする・浮腫みが出るなどの症状が出てきます。

A統血作用とはみだりな出血を防ぐ働きを指します。もし脾の働きが悪くなると出血しやすくなるので、下血・尿血・子宮の不正出血が起こるようになります。

B升清作用とは「升」とは脾の気は上に昇る性質があることを指します。清とは栄養物質を指します。@脾胃でできた栄養物質を身体の上部(肺・心など)まであげて全身に栄養を送ることになります。A脾の気は上に昇ることが正常なためその他の臓器を正常な位置に維持する働きがあります。ですから脾の働きが悪くなると身体の上部に栄養がいかないため、めまいが起こる・内臓下垂(胃下垂・脱肛)などの症状が出てきます。
肺
4.「肺」の現代医学と鍼灸(東洋医学)の説明
【 現代医学で考えられている肺の働きとは 】
口から取り込んだ空気を気管に通り、左右に分かれた気管支を通り、さらに細かく分かれ肺胞という組織で、二酸化炭素を排出し、酸素を取り込みます。これを「ガス交換」と言います。この働きがないと人間は生命活動を続けることができない重要な臓器になります。その他の働きは現代医学にはないと考えられています。

【 参照ページ 】
テラのがん免疫療法ガイド|肺の仕組みと働きのページ

【 鍼灸(東洋医学)で考えられている肺の働きとは 】
主な働きは「気を主る」・「宣発・粛降を主る」・「通調水道」・「治節を主る」の4つあります。
4つの言葉が出てきましたが、これでは意味が分かりませんね。分かりやすく纏めますと、「呼吸」・「水分代謝」・「全身に血を送る」以上になります。
「呼吸」は現代医学の呼吸と同じで身体に不要な物質(二酸化炭素に当たる)と身体に必要な物質(酸素に当たる)を取り換えることと呼吸の質(呼吸のリズム・回数など)に関係します。ですから肺の働きが悪くなると息切れなど呼吸に影響がでます。「水分代謝」は肺の働きにより腠理(そうりと読んで、現代医学でいう汗腺に当たる)より汗を出して水分を調整したり、全身の水を腎に送ります。ですから肺の働きが悪くなると水分代謝が落ちて浮腫みがでたり咳や痰が出たりします。全身に血(栄養分)を送るとは脾胃で作られた栄養分は肺まで送られ、肺の気の働きで全身に送ります。ですから肺の働きが悪くなると栄養分が送られないので倦怠感などが起こります。
ソラマメ(腎臓の形に似ている)
5.「腎」の現代医学と鍼灸(東洋医学)の説明

【 現代医学で考えられている腎臓の働きとは 】
腎臓の働きは大きく4つあります。@老廃物や余分な水分・塩分等を尿として排出することで、体内の水分量とナトリウム・カリウムと言ったイオンバランスを調節する働きがあります。ですから腎臓の働きが悪くなると浮腫みやカリウムが高くなります。A血圧を調節するホルモン(レニン)を分泌して体内の水分・塩分を調節することで血圧をコントロールする働きがあります。ですから腎臓の働きが悪くなると血圧が上がります。Bエリスロポエチン(造血ホルモン)を分泌して赤血球を作る働きがあります。ですから腎臓の働きが悪くなると貧血になります。CビタミンDというホルモンを分泌して骨を丈夫にする働きがあります。ですから腎臓の働きが悪くなると骨がもろくなります。

【 参照ページ 】
腎臓ってどんな臓器?|森下記念病院

以上が現代医学で考えられている腎臓の働きです。次に東洋医学における腎の働きを説明します。

【 鍼灸(東洋医学)で考えられている腎の働きとは 】
大きく分けて4つあります。
@精を蔵す。
これはどういう意味かというと、ヒトの成長と生殖器の働きに関係します。腎臓の働きが正常だと発達の状態も人並みに発達していくし、老け込みにくくなります。そして生殖器の働きもよく生殖能力も高くなります。反対に腎の働きが悪くなると発達障害がおきたり、早老になったり、精子・卵子の状態に影響が出て不妊の原因になります。
A水を主る。
これは肺や脾と同様、水分代謝を主りますが、膀胱に送られた水分はそのままでは外に排泄できないので腎の働き(気化作用)によっておしっこ(尿)として排出させる作用があります。腎の働きが悪くなると浮腫みが起きます。
B納気作用があります。
簡単に言うと深呼吸に関係します。深呼吸は肺の働きに加えて腎の働きがなければできません。腎の働きが悪くなると深呼吸ができません、呼吸が浅くなります。
C骨を主る。
腎の働きが正常ですと骨の発育が良く丈夫でいられますが、腎の働きが悪いと骨折しやすかったり骨がもろくなります。

以上で腎の働きについて現代医学と鍼灸(東洋医学)について説明しました。腎については似たような働きがありましたね。

【 まとめ 】
これで五臓の説明は終わりになりますが、現代医学でも鍼灸でも五臓の働きに違いはありますが、どちらの医学でも五臓の働きが悪くなると生命活動に影響が出てしまうぐらい大事なところになりますね。




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