■この記事の筆者は当院の院長です。院長プロフィールはこちらへ。公開日:2022年4月5日

【 コラム 】 子供の視力回復

視力検査

■はじめに・・・・・

小さいお子さんをもつお父さん、お母さんが最も心配することの1つが視力低下(近視)することではないでしょうか。
それもそのはず、現代社会ではタブレットやスマホで小さい子供が小さい画面に目を一生懸命凝らして、無料動画を見たり、ゲームをしたりしている時代です。スマホ老眼なんて言う言葉もあるくらいですから・・・・。
実際、学校の視力検査で引っかかった(視力低下)という方で、視力回復が鍼灸で可能かという問い合わせもあります。
そんな方に対してどうなのかというのを今回説明していきます。

結論から申します。

鍼灸で良くなる可能性があるのは「仮性近視」になります。「近視」を鍼灸治療によって視力を回復することは残念ながら難しいです。
(治療院さんの中で施術前後で視力が少し改善するなど言われている所があるみたいですが、これは一時的なことであって完治ではありません。一時的でも良いからという希望をもたれているでしたらそれはそれでOKですが・・・・。)ではどうして近視は鍼灸では難しいのか現代医学の観点から説明します。
医師解説

■そもそも仮性近視と近視とは何が違うのか。

仮性近視とはピントを合わすためにレンズで調整しますが、レンズを動かすための筋肉(毛様体筋)が過度な収縮により調節しすぎる状態を言います。では近視とは何かと言うと、何らかの原因(身体の成長に伴い)で目の形(眼球の奥行が長くなること)が変化することで起こります。
刺鍼中

■近視の原因(目の形)を鍼灸で治すことはできるか。

鍼灸で目の形をそのものを変えるのはできません。そもそも鍼は人体に刺すものであって形を変えるものではないですし、灸によって目の形を変えるものではありませんから。話は少し脱線しますが、近視を良くする方法は現段階ではレイシックのみです。あとは眼鏡による視力矯正しかありません。

■仮性近視の原因(毛様体筋の緊張)を鍼灸で改善できる?

それは100%ではないですが可能です。毛様体筋の緊張が改善できれば視力回復は望めます。鍼灸治療のやり方は全身調整で全身の血行を促進してしつつ、頸肩のコリを取ることになります。局所には眼窩内刺鍼が有効です。*眼窩内刺鍼とは非常に細い銀鍼もしくは金鍼を用いて下瞼から眼窩に沿って鍼を入れることですが、目に近い場所を刺すことになりますので目の損傷だけでなく目の周辺に青じにも注意する必要になります。なお当院ではリスクと治療効果を考えると眼窩内刺鍼は行う予定はございませんのでご了承くださいね。(ただ眼窩内刺鍼と同じくらい効果のある刺鍼方法があるのでそれを駆使します。)
【 詳細ページ 】
・東洋医学の考え方
注意点

■注意点

☆いくら仮性近視(毛様体筋の緊張)が鍼灸や目薬で改善されるからといって、日常生活を改善しないと視力回復は望めません。
ではどうしたら良いか、日常生活で気を付けたいことをあげてみます。
@物を近くで見ないこと。30p以上離して物を見て下さい。
A目が疲れてきたら目を休めること。
Bゲームのやりすぎが疑われるのであれば、ゲームをやらせないようにする。
C目の周辺を軽くマッサージをする。
D目を温かいタオルをのせて温める。
など以上の5つの注意点(これらは毛様体筋の緊張を和らげる作用がある)に気を付けてもらえれば、より一層、仮性近視の改善は期待できます。
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