■この記事の筆者は当院の院長です。院長プロフィールはこちらへ。公開日:2022年4月24日。更新日:2026年5月25日。

【 解説 】 喘息

喘息

■はじめに・・・・

・発症したら呼吸がしにくく苦しくなる気管支喘息。これを読んだ皆様が気管支喘息は鍼灸の適応かどうかが気になると思いますので、ここで結論を申します。気管支喘息は・・・・
症状が出ている場合、症状の軽減が期待でき、症状の発作がない時には発作の予防、もしくは発作が出ても軽く済むようにすることが期待できます。
それにより、せき込んで苦しいことが減るので、日常生活では身体が軽くなり、趣味や仕事・勉強に力をいれることができますよね。
早速ですが、喘息について現代医学と鍼灸の両方を説明します。
医師説明

■現代医学では

・気管支喘息とは急に空気の通り道となる気管支が狭くなってしまい、「ゼェーゼェー」・「ヒューヒュー」が始まり呼吸が苦しくなる状態を繰り返すことを言います。
・気管支喘息は気管支に慢性的な炎症が起こっていることが分かっているので、気管支の炎症によって外部からの刺激に対して簡単に気管支の組織が腫れたり痰が分泌されたり、気管支の筋肉が縮もうとしたりするので、喘息発作にならないためにまずは気管支の炎症を抑えることが大事になります。
・もし長期間炎症の状態が続いてしまうと気管支自体が硬くなって治療自体が難しくなります。
■悪化させる原因
「風邪などの感染症」・「ペットの毛やダニ」・「大気汚染」・「受動喫煙」・「激しい運動」・「ストレス」などたくさんあります。
ネブライザー
■治療方法
「気管支喘息の発作がない時」と「気管支喘息の発作時への対応」の2つに分けて考えます。
・気管支喘息の発作がない時に行う治療法は以下になります。
@気管支喘息の「悪化の原因となるアレルゲンをできるだけ減らすこと」で少しでも炎症を悪化させない状態に日頃から気を付けることが1点。

A「薬物療法による炎症のコントロールをすること」です。どんな薬を使用するかというと吸入用のステロイドやロイコトリエン拮抗薬になります。これらはステロイドを吸入することで直接患部の炎症を抑える作用と気管支を拡張する作用がある内服薬(ロイコトリエン拮抗薬)があります。

B「発作が起こらないように体力をつけること」です。これは肥満が喘息を悪化させる要因にもなることも分かってきているので肥満の防止にも日常生活における習慣の見直しや軽い運動(ウォーキングや太極拳、ヨガ(ヨガでも激しい動作は不可)など)をすることが大事になります。

・上記の治療法で大抵の気管支喘息は落ち着いてはくるものですが、中には改善しないケースもあります。そのような場合、心理的なストレスが原因のことがあります。心理的なストレスの場合はカウンセリングを行うことで発作が軽減することがあります。

・喘息発作を繰り返し続きますと気管支の炎症も長く続くために、気管支がより刺激に対して過敏になっていることがあります。そのような場合は入院治療で経過をみることで改善することが期待できます。

・気管支ぜんそくの発作時の対応についてです。
強い喘息発作にはいくつか特徴があります。未就学児までの方の場合で言えば、「ゼーゼー」・「ヒューヒュー」が強い。「遊べない」・「食べれない」・「眠れない」・「顔色が悪い」・「機嫌が悪い」・「呼吸や脈が速くなる」など速やかに医療機関で受診して下さい。以上のような症状がなくても発作が起きて薬を飲んで1・2時間経過しても改善しない場合は同様に医療機関で受診して下さい。
灸頭鍼

■鍼灸では

喘息を以下のように考えます。原因はストレス・生活習慣・過労などにより内臓の働き(*脾胃・腎・肝など)が低下したことにより、体内に発生した不要な物(*痰飲・熱・瘀血等)が肺に影響を及ぼすことで肺の気が上逆して喘息は起こると考えられています。
*脾胃(ひい):主に現代医学で言う胃腸に相当で消化・吸収・栄養を作る等の働きがあります。
 腎(じん):主に現代医学で言う「内分泌」の働きと呼吸の補助の働きがあります。
 肝(かん):主に現代医学で言う「自律神経」の働きがあります。

*痰飲(たんいん):身体に不要な水分になります。
 熱(ねつ):ここでは「身体に不要な熱」になります。
 瘀血(おけつ):身体に不要な血液(老廃物の1種)になります。
 
計画
■施術方針
ただ咳を抑えるツボだけに鍼灸施術をしても効果は期待できません。
これに加えて
@内臓の働きを良くするように施術を行うこと。
A内臓の働きを改善すると同時に体内に発生した不要な物を取り除くこと。
以上2点を重点的に施術をし喘息の症状または喘息の発作を抑えます。

上記の施術に加えて、喘息による激しいダメージを受けた筋肉(呼吸するにも筋肉がないとできません。)に鍼灸刺激を加えることで筋肉のダメージを改善してくれるので、呼吸するのを更に楽になりやすいです。

■施術経過
・個々の体力や症状の程度によって大きく異なりますので一概にこうとは言い切れません。一般的に体力が比較的ある方は症状が改善しやすいですが、体力があまりない時は症状が軽くても改善しにくい傾向になります。

また1回の施術で喘息が劇的に改善されることは少ないです。やはり最低でも数回以上の施術は必要になってくることがほとんどです。(喘息に限らず、これはあらゆる病気に言えることですが・・・)
【 詳細ページ 】
・東洋医学の考え方
・セルフケア
個人差はありますが、喘息に効果的なツボを3つ挙げます。
・孔最穴
孔最穴
・孔最(こうさい)穴は肺の経脈に関係するツボで郄穴になります。肺の働きに関係する呼吸・水の代謝等の調和または改善をする重要なツボです。
・尺沢穴
尺沢穴
・尺沢(しゃくたく)穴は肺の経脈に関係するツボで合水になります。咳やくしゃみなど肺の働きに関係する症状によく使う重要なツボになります。
・復溜穴
復溜穴
・復溜(ふくりゅう)穴は腎の経脈に関係するツボになります。腎は呼吸の補助の役割があるので、腎の作用が弱っている時に使う重要なツボです。

喘息の鍼灸施術:よくあるご質問(FAQ)

質問
発作が起きていない元気な時に鍼灸を受ける意味はありますか?
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回答
名古屋市守山区のにこにこ鍼灸治療院では以下のように考えています。

・これは、患者様の価値観によって変わります。
もし、お仕事や勉強のパフォーマンスを維持したい、あるいは趣味を全力で楽しみ続けたいというお考えであれば、鍼灸で体調の土台を整え、発作を未然に抑えることは非常に大きな価値があります。
一方で「今はそこまで必要ないかな」とお考えであれば、また何か困った時にいつでもご連絡いただければ大丈夫ですよ。
質問
子供の喘息でも鍼灸は受けられますか?刺さない鍼などはありますか?
展開
回答
もちろん、受けることはできます。当院ではお子さんにはお子さんに合う鍼(小児鍼)を用いて刺さずに行うことを致しますので安心して頂ければと思います。当院ではまずお子さんが「また来たいな」と思う環境や施術を心がけています。
質問
吸入ステロイドなどの薬をずっと使い続けるのが不安です。併用しても大丈夫ですか?
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回答
併用しても大丈夫ですよ。鍼灸を続けることで症状が安定してくるケースは多々あります。状態が良くなってきたら、ぜひかかりつけの医師に減薬の相談をしてみてください(*改善したからといって、自己判断で薬を減らすことだけは避けてくださいね。一緒に相談しながら進めましょう)。

まとめ

・発作を起こすと最悪呼吸不全で亡くなってしまいます。そうならないように日々、再発しないように予防していくことが重要です。鍼灸で体力をつけていく治療を。現代医学では薬でコントロールすることになります。

・セルフケアを提示したツボで楽になる方もいれば、残念ながら変化が少ない方もいます。東洋医学では同じ症状でも原因が異なるためです。
もし1週間ほど試しても変化がなければ、無理に続けるより一度お身体の状態を確認した方が改善への近道になることもあります。
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