■この記事の筆者は当院の院長が書きました。院長プロフィールはこちらへ。公開日:2025年6月30日  あとは写真の入れ替えるだけ!

痔の鍼灸施術について

不育症

■痔の改善は鍼灸で期待できます。


痔の経験のある方は分かると思いますが、程度にもよりますが、「痛み」があるのは非常に辛いですね。大抵は薬または手術で改善を目指すのが一般的で、痔の程度にもよりますが、実は鍼灸でも改善が期待できます。(そういう僕自身もお尻に違和感がある時があります、その時に鍼灸をすると違和感が減少し改善した経験を持っています。さらに妻が下痢をしやすい体質なのでよく痔になるのを治療して改善したこともあります。)
なぜ鍼灸で痔が改善されるかというと、ツボに鍼又は灸の刺激を加えると全身の血液の流れが促進され、特に肛門周辺の血液の流れが改善されるからです。肛門周辺の血液の流れが良くなることで痔の痛みや腫れ等の症状の改善が期待できます。

さらに痔が改善することで何が得られるかというと「生活の質が良くなること」ですね。
具体的には何があるか挙げてみます。
・自由度が増します。
旅行に行ける・今まで控えていた辛い物を食べることができる・アルコールも普通に飲める。
・仕事・勉強に集中があがります。
効率が良くなります。または成績がUPするかもしれないですよね。
・不安からの解消も期待できますね。
またいつ来るか分からない痛みの不安がなくなりますね。

こんな感じで簡単に説明しましたが、気になる方、続きがあるので、引き続き見てあげてくださいね。
医師 説明

現代医学では・・・

●痔の種類とは・・・
痔は大きく分けて痔核・肛門皮垂・裂肛・痔ろうの4つに分かれます。

・痔核は「いぼ痔」と言われるもので、外痔核・内痔核・中間痔核に分類されます。
・裂肛は「きれ痔」と言われるもので、早期・中期・後期・晩期の4つに分類されます。
・痔ろうは肛門周囲に細菌感染をしてそこで炎症を起こし、膿がたまって肛門の内側から外側をつなぐトンネルの状態になることを言います。
〇痔の治療について
・基本は薬と手術になり、病態によって異なります。
例えば軽度の痔の場合は薬で様子を見ることになりますが、中期〜晩期もしくは痔ろうの中期以降は薬の併用と外科的処置しか方法がないです。

・ジオン注射という内痔核に直接注射を打って出血や脱出を改善する治療法があり、効果に持続性があり状態によっては根治も期待できる。(すべての内痔核に効果が期待できるとのこと。)

・手術は一般的にはLE法というやり方を手術を行います。これは入院して行う手術になります。術後の痛みが中程度以上。特殊な手術法としてクランプトレーザー法というやり方があるそうです。詳しくは参考ページをタップしてください。
鍼灸

■鍼灸では・・・


●原因
・辛い食べ物・アルコール度が高いお酒等を飲食しつづけることで、小腸・大腸に熱がこもることで小腸の粘膜・大腸の粘膜に影響を及ぼすことで、裂肛もしくは内痔核が起こります。

・痔ろうの原因は身体自体は体力が落ちて弱っている状態なため身体が冷えてしまっているのですが、肺や大腸には炎症がある状態になると痔ろうになります。
●施術方針
@内痔核は何らかの原因で小腸に熱がこもるとその影響でない痔核になります。何らかの原因で多いのは脾胃(現代医学で言う胃腸)になるので、脾胃の働きを改善し小腸の熱を取り除く治療をします。
A痔ろうは東洋医学ではストレス等で体力が落ちた為に「肝」の働きがひどく悪くなり、そのせいで体は冷えてしまっているが、大腸や肺には炎症が滞っている状態になっているので、肝の働きを改善し大腸の働きを改善する治療をします。
B八髎穴(骨盤にあるツボ)・腰部・下腹部の血流を良くする治療をして患部の症状の緩和を目指します。


●施術経過
・内痔核の痛みは程度にもよりますが、1・2回の施術で痛みが緩和する場合がありますが、最大30回を目安に施術を受けて頂くと良いです。
・痔ろうに関しては鍼灸単独では根治は難しいと考えます。現代医療の併用で10回ほど施術を受けてみて改善傾向が見受けられたらそのまま定期的に施術で様子を見る形になります。
■セルフケアについて
・当院でおススメするセルフケアは「お灸によるツボのケア」と「食事療法」になります。

@お灸によるツボのケア。
院長が良いと考えるツボを3つ挙げてみます。
〇関元穴
関元穴
関元(さんいんこう)穴は任脈にあるツボで肝経・脾経・腎経の各経脈が交わる重要なツボで小腸の募穴(小腸に病気がある時に反応の出るツボ)になります。
ここに直接お灸をすることで内痔核の改善が期待できます。
〇足三里穴
足三里穴
足三里(あしさんり)穴は胃経のツボで合穴になる重要なツボでここにお灸等で刺激を与えることで胃の働きの改善が期待できます。東洋医学では胃と腸は密接な関係があり、胃の働きを改善すれば小腸も改善できると考えるので、このツボも内痔核の改善が期待できます。
〇後渓穴
後渓穴
後渓(こうけい)穴は小腸経のツボで兪穴になる重要なツボで、内痔核は小腸の病気の証(あかし)なので、小腸に関係あるツボをお灸等で刺激を与えることで小腸の働きの改善が期待でき、痔の改善も期待できます。
食事療法
A東洋医学の観点からみる食事療法について

・東洋医学では医食同源と言って食事も重視しています。
・現代医学でも言われますが、アルコール・辛い物を食べるのを控えて下さい。
・気血を増やすことは大事になるので、肉類(気と血を増やす)と野菜類(陰血を増やす)については火を通して食べて下さい。
【 詳細ページ 】
・東洋医学の考え方
【 参考文献 】
・薬膳食典食物性味表|日本中医食養学会

まとめ

・痔には4種類ありますが、鍼灸が最も適応できると思うのは内痔核だと考えます。個人差がありますが、一時的ではありますが、痛みの緩和が期待できることがあります。
・痔ろうは鍼灸単独ではなかなか改善が難しく、場合によっては手術が適応になることがあると考えます。
・痔にならないことが一番大事かなと思います。なってからでは遅いですから。日々の身体のケアが重要になりますね。

【 突発性難聴 】鍼灸治療による可能性について(25年7月)

・突発性難聴の改善は鍼灸でも難しいですが、可能性はゼロではありません。
 突発性難聴の原因は主に過度なストレスと疲労によるもので、病院でも早期の治療(ステロイド)をしないと改善する可能性が低い難しい症状の1つです。これによりある程度の方は改善されますが、改善されず、ずっと付き合わなくてはいけないと多くの方が悩んでいらっしゃるのではないでしょうか。
 では突発性難聴が鍼灸で何とかならないかという話になりますが、何とかするには条件がいくつかありますが、まずここで確実に言えるのは2点あります。
@*早期施術を行うこと。(*ステロイド治療終了後すぐもしくは併用治療が理想。)
A週1回以上(できれば週2回以上)で3か月通院施術を受ける。
どうしてかというと「時間が経過すれば経過するほど聴力の回復が見込めなくなること」と「治療は大抵3か月は受けないと効果は得られにくく、3か月以上継続しても回復が見込めない場合、改善が見込めなくなる可能性が高くなる」からです。
これだけの条件をクリアしても完全に治ることは残念ながら言い切れません。「耳鳴りの軽減」・「めまいの頻度減少」・「日常生活の質の向上」等多少良く成ればいいかなっていう感じになりますね。
こんな感じで簡単に説明しましたが、もし気になることがありましたら、続きを下記に書いてありますので、是非ご覧になって下さいね。

目次
・現代医学では
〇定義
原因は不明。原因が分かれば突発性難聴とは言わないからです。突発性難聴は感音難聴(音を感じ取って内耳、蝸牛神経、脳に何らかのダメージを受けて起こる難聴)に属し、急に発症する中で原因が特定できないことを言うので若い人から年配の方まで様々な年齢層で起こりえます。近年は突発性難聴は増加傾向にあります。
〇どんな人になりやすい?
睡眠不足・ストレス・疲労の蓄積・アルコールの飲みすぎ・糖尿病等が耳の中の血管の血流障害を起こしたり、ウィルス感染の影響が関係するのではないかと言われています。
〇難治性の病気で3割は回復しない
・この病気は早期診断・早期治療が望ましいとされています。(遅くても2週間以内、できれば1週間以内に治療を開始するのが良いとされています。)
・仮に早期に治療を開始しても3割の方は聴力は全く回復しない。3割は元通り聴力は回復する。もう3割は完全に回復しないとされています。
・ですから急に「耳が聞こえなくなった」・「耳鳴りがする」・「めまいがする」等の症状が出たら耳鼻咽喉科もしくは耳鼻咽喉科頭頚部外科に受診して下さいね。
〇治療法
内服やステロイドの点滴が中心になります。個人差がありますが1か月から3か月は治療をうけるのが良いとされています。糖尿病が原因という場合は血糖のコントロールをしながらの治療になります。
参照ページ
突発性難聴|日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会
・鍼灸では・・・
原因
@気血(エネルギーと栄養)不足: 脾胃(現代医学でいう胃腸)の働きが低下し、気血が十分に作られず、耳に栄養が行き渡らないケース。
A瘀血(体内の不要な血):脾胃の働きが低下したことで体内に不要な血(瘀血)が発生し、耳の血行が悪くなることで起こるケース。

施術方針
@脾胃の機能改善: 気血の生成を促し、不要な血の排出を助けることで、突発性難聴の改善を目指します。
A耳への血流改善: 首や肩のコリを緩和し、耳周辺のツボを鍼灸で刺激することで、耳自体の血液循環を促進させます。

セルフケアとして
3つのツボと食事について説明します。
聴宮穴:耳周辺にあるツボな為、耳の血液循環を促進させることで耳の機能改善が期待できます。
衝陽穴:胃経の原穴となる重要なツボでここにお灸等で刺激を与えることで胃の働きの改善により気血が増え、耳の働きの改善が期待できます。 
血海穴:脾経のツボで、このツボは瘀血にも血を増やすのにも便利です。お灸で温めることで不要な血を取り除き、血を増やすことで耳の働きの改善も期待できます。

食事について
・甘い物(チョコレート、饅頭等)・脂っこい物・冷たい物(ビール・アイスクリーム等)・生もの(刺身・野菜等)は脾胃(現代医学で言う胃腸)の働きを悪くするので少し控えて下さい。食べ過ぎると脾胃の働きが悪くなり、気血の生成と不要な血の排泄ができなくなるからです。生ものや冷たい物を食べる時は火を通して食べるのをおすすめしています。

・油分の少ないお肉、魚類は補気(エネルギーを補うという意味)養血(栄養を補うという意味)作用があり、耳の機能改善するために必要となります。

まとめ
・突発性難聴は現代医学でも鍼灸でも難しい症状の1つです。早期治療と早期施術との併用でより改善の期待できますが、過大な期待はせずに少しでも回復できればいいなと思うことで上手く付き合えることができると思います。
A男性側にある。(男性の不妊)
・男性が原因の不妊は約50%です。原因はいくつかあります。
(@)精子を作る能力に問題がある。
 これが全体の8割を占めています。なぜ元気が良い精子が作れないのか6割が原因が分からないですが、原因がはっきりしている精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)の場合、精巣周辺の血液循環がわるくなることで精巣の温度が上がることや精巣の低酸素状態の継続や有害物質の影響で正常な精子ができない原因になっています。これは手術をすることで改善する場合があります。
治療法としてはホルモン剤等を使うことですが、通常は補助生殖医療を併用します。

(A)生み出された精子がペニスの先まで運ばれない時
 作られた精子がペニスの先ま通る道の途中で詰まってしまうケースとして過去の炎症(精巣上体炎)などがあります。

(B)セックスがうまくできない場合(性機能障害)
勃起障害などでセックスで射精できないことがこれに当てはまります。一般的にはストレスが原因でありますが、中には糖尿病が原因のケースもあります。 糖尿病については食事制限・運動・薬の服用で改善を目指しことで勃起障害の改善が期待できます。
〇関元穴
関元穴
関元(かんげん)穴は任脈にあるツボで、脾経と肝経と腎経が交わるツボになり、この1つのツボで脾経と肝経・腎経の治療もできるので非常に重要なツボになります。このツボは下っ腹(赤い点)になります。
〇行間穴
行間穴
行間(こうかん)穴は肝経のツボで火穴になる重要なツボで、ここにお灸等で刺激を与えることで肝の働きの改善が期待できます。改善されることで「のぼせ」・「イライラ」に効果が期待できます。
〇復溜穴
復溜穴
復溜(ふくりゅう)穴は腎経の金穴になる重要なツボです。ここに灸で刺激を与えることで腎の働きの改善が期待できます。改善されることで「不眠」・「腰痛」などの症状に効果が期待できます。
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