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回答日:2023年8月5日 更新日:2025年6月26日
回答日:2023年8月5日 更新日:2025年6月26日
鍼の効きやすい人とは
・名古屋市在住のH様からの質問。 現在、腰痛があり、鍼灸治療を検討しています。 ネットで検索していると腰痛が鍼灸で良く効いた方も見えれば、鍼灸は全く効果がないという方が見えれば、鍼灸をしたら却って悪化した等色々書き込まれてましたが、鍼灸が効きやすい人はどんな方でしょうか? 鍼灸師の先生、回答よろしくお願いします。 |
鍼が効きやすい人には、いくつか理由がありますよ。詳しく上げますね。
回答日:2023年8月5日。 名古屋市在住のH様、質問、ありがとうございます。 鍼灸が効きやすい人はどんな人?という質問に、名古屋市守山区の鍼灸師が回答します。 結論として「1つだけではありません。色んなケースが考えられます。」 抽象的過ぎて分からないので、具体的にあげてみます。 @施術者または患者様の気持ちで効果の良し悪しが変わります。・「私、この施術者(または患者様)と相性が合っているな」と感じる時は効きやすいです。 ・患者様ご自身が、時間をかけてじっくり治すんだと気持ちに焦りのない方は効きやすいです。 A病気の原因が複雑か複雑ではないかで効果の良し悪しは変わります。・このような場合、2つの例が挙げられます。 T.同年代で腰が痛いと訴えるAさん、Bさんの二人がいて、鍼灸治療を受けに来たとします。Aさんは基礎疾患(糖尿病・アレルギー・心臓の病気等)があります。Bさんは基礎疾患はありません。 このような場合、どちらが効きやすいかと言うと、Bさんになります。何故かと言うと基礎疾患がないからです。基礎疾患があると代謝等の低下が出て身体に悪影響を及ぼすので効きにくくなります。 U.同年代で膝が痛いと訴えられるCさんとDさんの2名がいます。Cさんは何年も前から膝が痛く、様々な治療を受けているが改善せずに鍼灸治療を受けた。Dさんは最近膝が痛くなったまずは整形外科で骨折・靭帯損傷等がないことが確認、その後鍼灸が良いと思い受けたというケース。 このような場合、鍼が効きやすいのはどちらかと言うとDさんです。Dさんの病態はそこまでひどくないおかげでこじれてなく治りやすいからです。Cさんのケースでは膝の状態が完全にこじれてしまっているので効果が出にくく治りにくいです。 ➂体力の有無で効果は変わります。・老若男女問わず、体力がある方は効きやすいですね。若くても体力が十分でない方は効きにくいです。*ここで言う体力とは「飲食も十分に取れて栄養も吸収されやすく、体に不要な水分を汗または小便して出す。不要の血液は便として出す。大便はバナナ状の形のある便がいいです。睡眠は熟睡でき寝起きがすっきりした状態で総合的に顔色が良く、筋肉を触って張りがある」ことを指します。 C施術中に身体の変化が見受けられる方は鍼灸は効きやすいです。これは施術者に限らず患者様も気づく場合があります。 ・患者様ご自身が気付く場合として・・・ 施術中に身体の変化(手足がホカホカして温かくなる等)が分かる方が見えますが、このような方は効きやすいですね。 ・施術者が気付く場合として・・・ 一.当院では脈診をするのですが、施術後すぐに脈に変化が出た場合。 例えば・・・ 患者E様の脈が弦脈(げんみゃく)と言ってギターの弦みたいに硬い脈が出たとします。施術中にすぐにやや柔らかくなるのは効きやすい証拠です。 二.施術中に患者様の顔色や肌に変化が出た場合。 例えば患者F様の顔色と肌が施術前に比べ顔色が良くなったり、肌にしっとり感が出てくる場合は比較的効きやすい傾向にあります。 【 補足事項 】「鍼が効きにくい人」とは・・・・1,鍼が信用していない人鍼灸治療は「科学的ではないから信用しない」という方はほぼ100%効きません。その他の治療を検討してください。 2,基礎疾患のある人基礎疾患(特に糖尿病・リウマチ等)があると、ない人に比べて代謝する力がないので、その分症状の改善が遅れます。3.病気がすごく進行している人病気が進んでいる人は、より病態が複雑になってしまいます。複雑になると治療もより複雑になります。複雑な分だけ治りにくくなります。 4.早く治りたいと気持ちに焦りがある人辛いから早く治りたいという気持ちは非常に分かります(だって誰しも早く治りたいですよね)が、実はそれでは良くないのです。焦りは治りたいの純粋な気持ちだけでなく「経済的に大変になる」・「仕事で迷惑がかかる」等ストレスになるからです。5.どれだけ施術しても脈やお腹・体に変化がない人施術者の技術的な問題は1つの原因として考えられますが、それ以外にも患者様自身の体力にも問題がでてきます。こんな経験ないでしょうか?どんないい薬を飲んでもどんないい薬を飲んでも治らない方、そういう方は栄養・薬を吸収する力がなくなってしまっているのですだから治らなくなるのです。鍼をすることで栄養・薬が少しでも吸収できるようにアプローチした結果が脈とかの体の変化として現れます。それがないというのはやはり治りにくいのです。 |