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2021年02月16日 [症例検討]

アトピー【 症例7と症例8 】

■この記事を担当している筆者は「当院の院長」になります。詳細はこちら
アトピー

■アトピーの鍼灸治療の症例を2つ挙げます。


【 症例7 男性 31歳 】

■予診票からの患者様の情報


アトピーが原因のかゆみ。部位は大腿内側・腕全体・右側腹部・前頸部の4か所で皮膚が赤くなっている。自分自身の感覚では5歳くらいからだと思うと言われているが家族には15・16歳頃に発症したと意見が食い違っている。過去にステロイドをちょこちょこ使用しているが初検日の2か月前に中止している。
過去に鍼の経験はあるとのこと。
鍼治療

■東洋医学の観点からみた患者様の状態


食事について確認すると食欲はあるが食べる量は普段と変わらず普通とのこと。尿の回数は1日5・6回で尿量・色は普通で夜は1度トイレに行くとのこと。大便は下痢気味で睡眠状況は1日5・6時間とのこと。その他疲れやすく・気力がないとのことでした。お腹の状態は中脘穴周辺に抵抗があり、左右鼠径部に緊張が認められます。脈診は全体に細い。右関上は細く無力で右寸口は有力。前腕内側(尺膚)の状態はふにゃふにゃして力がない。以上よりこの患者様の身体状況は肝虚証で肺に熱がある状態のため皮膚が赤く痒みが出ていると判断しました。

■治療方針と治療経過について


治療方針は疲れやすい・気力がない・脈診で右関上が無力から気血を十分に増やしてから肝臓の働きを良くする形にすることが1つ。そして肺の熱を取るために肺経のツボを使いそして患部の熱を取る鍼に手技を行うことが2つ。以上になります。
治療経過は初検後約3週間に5回施術を施した所で腕全体の赤み・大腿の赤み・頸の赤み・右側腹部の赤みが減少し、本人も効果が実感できたと言われましたが、まだ完全に引いたわけではない。この間に頭痛があると言われたのでどんな状態か確かめると「締め付けられるような痛みで重い感じ」があるとのことでしたので、これも脾虚が原因なので頭の痛い部位(頭全体)を加えることにしました。それから初検日後約8週間後(通算施術回数10回)でさらに大腿内側・頸・大腿・右側腹部の赤みは減少し少し色素沈着が認められるようになった。頭痛は前頭部を中心に変化していくが、劇的に変化が出て訳ではない。施術を継続中です。
考察

■考察 


肝虚証で肺の熱は間違いはないですが、ただの肝虚証で施術したのでは恐らく効果はここまで出ないと思います。気血を増やす配穴をしたことで想像以上に早く効果が出たと推測できます。頭痛に関しては定期的な継続しないと難しいと思います。ただ気がかりは治療間隔が開く一方なのです。これではせっかくのアトピーの治療効果が落ちる可能性も説明しているのですが、納得できていない感じなのです。今後が気になりますね。追記:その後、何とか通院はして頂きましたが、結局仕事のシフトが分かる日時に連絡を入れると言われましたが、連絡がなく当院から電話を入れるも折り返しの電話がないため、治療を継続意思がないとみなし治療を終了しました。

引き続き症例を挙げます。


アトピーの薬
【 症例8 男性 42歳 】

■予診票からの患者様の情報


アトピー性皮膚炎(発症は10歳頃で部位は前頸部・肘・お腹・胸部で前頸部が特に赤黒くなっている。その他はやや赤い。)その他の症状として肩こり・腰痛・不眠症がある。過去に患った病気は子供のころに中耳炎・15年前にヘルペス。漢方薬を1年間服用中でそこでは胃腸の働きを良くする薬を処方してもらっているとのこと。なお現在もステロイドを使用中。
灸頭鍼

■東洋医学の観点からみた患者様の状態


食事について、食欲はないし食べる量も少ない。尿の回数は1日7・8回程度で尿量は少なく色はやや透明で夜中にトイレに起きることはないとのこと。大便は1日2・3回で柔らかい便が出るとのこと。睡眠状況を再度確認すると全く眠れない・寝つきが悪く寝起きが悪いなど様々。
お腹の状態は右脇下硬・中脘の部位が膨れている感じがある。脈診は全体に弱脈で左寸口がやや有力。前腕内側(尺膚)の状態は腕全体が硬い状態です。以上よりこの患者様の身体状況は脾虚証で心熱と瘀血のためにアトピー性皮膚炎が出たと判断しました。

■治療方針と治療経過について


治療方針は@脾胃の働きを良くして気血を益し皮膚の状態を改善を目指す。A心の熱を取ることで痒みや不眠を改善を目指す。B瘀血を取りこと。以上になります。
治療経過は初検日より2週間の間に4回施術したところ、皮膚に大きな変化見られないが、食欲は改善され便も少し硬くなってきたが、不眠はまだ改善されていないとのこと。初検日より3週間の間まで(通算施術回数7回)、お腹の赤みが少し減ってきました。引き続き治療を継続中。
初検から約1か月経過後、不眠が改善されていないということが続き、不眠とアトピーの関連性があるかどうか考え直してみました。睡眠は食事と同様非常に重要な事項です。睡眠は内臓や筋肉の疲れを取り除いてくれます。疲れを取り除くことで本来の臓器の働きが促せるわけです、ですから睡眠の改善はアトピーの改善につながるはずなので、不眠の原因をさぐり治療を行うことにしました。
不眠を改善させるための治療方針は腎の働きを良くして心熱を取ることです。それを2か月ほど続けると不眠も少しずつ改善されてきました、不眠が改善されることで皮膚の状態も以前より良くなってきました。初検後半年間は比較的まめに施術を受けていましたが、それ以降の施術は不定期で不眠になったり胃の働きが悪くなったりしていますが、アトピーは比較的落ち着いている状況です。
考察

■考察

 

施術後の変化に注目すると食欲は改善・便も少し硬くなってきたことで胃腸の働きが少し改善されてきたことが分かりますが、皮膚の状態については治療方法にも書きましたが皮膚が新しく生まれ変わるには約1か月かかるので、もう少し様子を見る必要があります。この患者様の身体はステロイドを使用しての改善を目指しているのでステロイドが身体に吸収できる状態まで持っていけるかどうかがカギになります。

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